親の離婚で息子の脳卒中リスクが増大?

親の離婚と男児の将来の脳卒中リスクには強い関連がある―そんな可能性を示唆する結果をまとめた研究論文が、世界脳卒中機構の刊行物である「InternationalJournalofStroke」2012年9月号に掲載されました。

カナダ、トロント大学のEsmeFuller-Thomson氏らの研究で、18歳になる前に親が離婚した男児は、離婚していない家庭で成長した場合よりも成人になって脳卒中を発症する可能性が3倍も高いことが明らかになりました。この高いリスクは、家庭内暴力や親の依存症など、その他の寄与因子によるものではなかったといいます。

なぜか男性のみ

遺伝や生活習慣、健康的な食事、喫煙などの他の脳卒中の要因を考慮に入れたとしても、親の離婚は男性の脳卒中リスクが3倍高いことと関連していました。不思議な事に離婚した家庭でも女性の脳卒中リスクは増大しませんでした。

なぜ親が離婚した男性の脳卒中リスクは高いのか、その理由は未だ不明だそうです。Fuller-Thomson氏らは、ストレスホルモンであるコルチゾール値が関係するのではと考えているようです。

脳卒中の種類

「脳卒中」にはいくつかの種類がありますが、大きくは脳の血管が詰まる「脳梗塞(のうこうそく)」と、脳の血管が破れて出血する「脳出血」や「くも膜下出血」に分けられます。どれも命に関わるような危険なもので、よく知られている代表的な脳卒中は以下のようなものです。

血管が詰まる類の脳卒中

  • 脳梗塞…脳の血管がつまったり、狭くなったりして血流が悪くなります。
  • 脳血栓症…脳の比較的太い血管が動脈硬化によって狭くなり、さらに血の塊によって少しずつ詰まります。あるいは高血圧が原因で脳の細い血管が変性して、血管が詰まります。
  • 脳塞栓症…脳の中の細かい血管が破れて出血します。
  • 一過性脳虚血発作…一時的に脳の血管が詰まりますが、すぐに血流が再開します。脳梗塞の前触れとして現れることがあります。

血管が破れる類の脳卒中

  • 脳出血…脳の中の細かい血管が破れて出血します。
  • くも膜下出血…脳の表面の大きな血管にできたコブ(動脈りゅう)が破れてくも膜の下に出血します。

今回の研究は可能性を示唆

今回の研究は離婚した夫婦の息子と、後の人生における脳卒中リスクとの関連性を示しましたが、確かな因果関係は確立されていないそうです。ゆえに同氏らは、この結果を確認するにはさらなる研究が必要だといいます。

しかし、もしこの研究結果が真実であるなら、息子の将来の健康のためにも、親は離婚についてより真剣に考慮すべきではないでしょうか。