相手の気持ちに気づいてあげられるか

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昨今の携帯電話やスマートフォンには内蔵アンテナが装備されていて、電波を受信し通話やメールができるようになっています。アンテナが電波を受信したとき、はじめて相手との会話ができるわけです。しかし、携帯電話に内蔵アンテナがないと、いくら電波が飛んできても受信することはできません。

この点を結婚生活における夫婦のやりとりに置き換えて考えてみましょう。結婚生活において配偶者が発信するさまざまな種類の電波、つまりメッセージについてはどうでしょうか。配偶者が出した電波のような気づきにくいメッセージはよく気を配っておかなければ、放置することになり、相手ががっかりする結果になります。

気づいてあげられるか

妻が妊娠していたときの夫であるKさんの反応の仕方をみてみましょう。Kさんは妻が妊娠したときも妻の出すメッセージに対して鈍感で、反応が薄かったようです。

残念ながら妻が妊娠三か月で流産したときも、流産が女性にとってどれほど痛手となるかさっぱりわからないまま、一日か二日寝ていれば体調回復すると聞いて、そんなものかと思っていました。

入院していた妻のそばにいてあげたところまではよかったのですが…妻の会社の上司や妻の友達、自分自身の母親が見舞いにきたときに会話に加わるわけでもなく、照れくさいのも手伝ってずっと本を読んでいました。

挙句の果てに、そのままいても仕方ないと思い、フォローがまったくないまま、見舞いにきた人と一緒に帰ってしまったのです。妻が家に帰ってもたいしたフォローのないままです。そのまますんなりと終わるわけがありませんでした。どうなったでしょうか。

後日、妻はたびたび流産のときの夫の反応を責めました。「私がとてもつらかったあのとき、優しくしてくれなかった。ずっとそばについていてくれなかった。本当は私のことなどどうでもいいんじゃないか」と。

Kさんはどうして自分が責められるのかよくわからず、あまりにもしつこくいわれるのでうんざりしました。夫婦仲は目に見えて悪くなり、そのことが直接の原因となって後にKさんは離婚したのです。

振り返ってみると、Kさんは妻に激しい暴力を振るったり、仕事もせずにギャンブルばかりして、妻が内職で稼いだわずかばかりの収入をも食いつぶすというような極悪人ではなく、ごく普通の夫でした。

しかし、妻の態度の裏にある見えないSOSを察知し、受け止めることができなかったのです。つまり、感情移入が欠如していたのです。このように「わからない」という名前の鈍感さは時として相手を傷つけ、離婚の理由となることがあります。

何かが違っている

自分が結婚に何を求めているか、結婚相手にどんなことを求めているか、自分は結婚生活に与えることができるどんなものを持っているか…そういったことがよくわからないまま結婚生活に入る人は多いと思います。

よくわからないいまま入った結婚生活を続けていくうちに、なんとなく、もしくはあからさまに「何かが違っている」ことに気づくものです。上記の例のように、ある出来事をきっかけにそれがわかる場合もあります。

その違和感は「相手がどういう人なのか」ということはもちろん、突き詰めていくと、「自分自身のことがよくわかっていなかった」ということがよくあります。

偶然にも自分の求めていたものと相手が求めていたものが一致して、それをお互いが供給できる「幸せな結婚生活」を送れる場合もありますが、そのようなケースはほんの一握りに過ぎません。大抵の場合、ある程度は「こんなはずじゃなかった」感があるものです。

そこで分かれ目になってくるのが、自分の家庭を崩壊から守っていこうとする「決意」や結婚生活をよくしてゆこうという夫婦双方の意識・努力です。いつでもあきらめるのは簡単ですし、結婚生活で満たされない分を不倫などで満たそうとするのも容易なことです。

また、結婚生活は自分一人で行っているものではありませんので、こちらの努力だけでどうしようもないこともあるでしょう。

理想の相手との出会い

一度は結婚したもののとっくに愛情も冷め、「同じ屋根の下で暮らす他人」との生活が楽しくも面白くもないときに、理想の相手に出会い、「自分が求めていたのはこういう人だったのか」と気づく場合があります。

この時点で何が自分にとっての「理想」だったのかに気づくわけです。これは本当ならば結婚する前、相手を選択する前に知っておかなければならない重要な点なのです。そして、往々にして犠牲になるのは最初の結婚生活です。

そして、状況が許すなら、現在の結婚生活にピリオドを打って、理想の相手との結婚生活をスタートさせることになります。理想の相手との再スタートが「吉」と出るか「凶」と出るかはわかりませんが、おそらく失敗からしっかりと学んだなら成功率は始めよりは高くなっていると思われます。