喧嘩にならない喧嘩「だんまり」

夫婦のどちらかでもこの「喧嘩にならない喧嘩」スタイルをもっていると問題が生じやすくなります。それはある意味、大きなコミュニケーション不足となり、夫婦のどちらか、もしくは両者ともに欲求不満状態をもたらすものとなります。

ここで述べている「喧嘩にならない喧嘩」とはどういうものを指すのでしょうか。たとえば、妻が自分の要求や文句を述べても、夫が急に黙りこんでしまい、そのままの状態が何日も続くというケースです。いわゆる「だんまり」です。

反論もしなければ、解決しようと努力するわけでもない無視状態です。結局、最初に口火を切った妻が折れるといった結果になりますが、その心のなかには、長年溜まると爆発しかねない不満の種がまたひとつ蓄積されたことになります。よくありがちなケースなので、夫が「だんまり作戦」実行例としましたが、妻が「だんまり作戦」実行側になる場合ももちろんあります。

だんまりは誤解のもと

ずっとこのように自分の要求が相手に取り上げられない状態が続くとやがて、「相手は自分に関心がない」と感じたり、「相手は自分のことさえよければそれでいいのだ」と感じてしまうものです。人間にとって、無視されることほど寂しいものはありません。

根本的なことですが、人間は孤独や寂しさが苦手な、愛が必要な生き物ですからそれを期待して結婚もします。しかし、期待して入ったはずの結婚生活が「愛がない孤独状態」となったとき、それに耐え切れずに離婚してしまう人が多いのです。

毎日の仕事や家事や育児といった忙しい中で、いつの間にかこういうことは忘れがちになります。難しいことですが、結婚生活のパートナーに関心を持ち続けることが不可欠です。しかも、束縛にならない程度に、無関心にならない程度にです。…本当に難しいところです。

なぜ生じる?

だんまり作戦はなぜ生じるのでしょうか。一つには、「報復」という形があります。夫か妻のどちらかが何か気に入らないことがあって、仕返しとしてだんまりを始めるのです。口を聞かず、相手の言うこともすべて無視です。

また、「相手を操るため」にだんまり作戦を決行する場合もあります。自分の思い通りにならないとき、口をきかなくなり、相手を避けます。そうしているうちに相手が折れ、こちらの思うようにしてくれると考えるわけです。

それはプラス?

だんまり作戦は結婚生活にとって決してプラスにはなりません。家での居心地が悪く、お互いさらに頑固になり、互いに対する敬意は弱まるばかりです。問題は長引くでしょう。それは気持ちのよいものではなく、疲れてしまうでしょう。当初のねらい通りに相手に対する仕返しができたり、相手を思い通りに行動させることができるかもしれません。

しかし、長期的にみるとその効果は一時的なものです。だんまり作戦を行なっていると、それが二人の間で問題解決の方法として癖になってゆきます。いつの間にか話し合いで解決することができなくなり、何か問題が生じる度にだんまり作戦に突入してしまいます。

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二人はチーム? それとも対戦相手?

だんまり作戦を行なっている時、相手はいつの間にか「チームメイト」ではなく、「対戦相手」になってしまっています。結婚という二人の「チーム」として、協力ができない状態です。

二人がチームとしてうまく機能するためにはやはりコミュニケーションが大切です。スポーツでもそうですが、強いチームはお互いのコミュニケーションがよくとれているものです。コミュニケーションの弱いチームは負けてしまいます。

コミュニケーションをとるほうがだんまり作戦の何十、何百倍もよいのです。注意点として、多くの夫婦にとって、話し合うときに陥りがちな「わな」は言い争いになることです。話し合いに折り合いがつかないとき、声のトーンがだんだんと高くなり、言葉遣いも荒くなりがちです。口論になりそうなときは、話し合いを一度休止したほうがよいでしょう。

だんまり作戦の二人か? よくコミュニケーションできる二人か?

気持ちが落ち着いている時、お互いの考えていることがよく伝わるように、優しい言葉を選びながら、相手の言うことによく耳を傾けましょう。良い雰囲気で話し合いができるとき、すぐに問題解決できるというわけではないかもしれません。しかし、だんまり作戦を行なっている時よりは、良い二人でいられるでしょう。