内定が取れない大卒ニート

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2012年、4年制大学を卒業した学生約56万人のうち、6%に当たる約3万3000人が進学も就職の準備もしていない「ニート」だったことが文部科学省の学校基本調査の速報で分かりました。

大卒者約55万9000人を対象に、2012年5月1日の状況を尋ねてみました。就職も大学院などへの進学もしていない人は15.5%の8万6638人。「進学も就職の準備もしていない」人数を調べたところ、このうち約4割の3万3584人いました。「就職準備中」が4万9441人、「進学準備中」は3613人でした。

勝ち組と負け組

学生たちの就活にも「就活格差」が出ています。内定をいくつも取る「内定長者」の学生と、まったく内定を取れない「無い内定」の学生の2極化がますます進んでいるのです。環境の変化により企業はますます厳選採用をしていて、実際、求めている人材のレベルも上がっています。

企業が欲しがる学生のパターンはどこも似たり寄ったりで、一部の学生に内定が集中してしまう現実が存在します。その割合は勝ち組が2~3割で、負け組が7~8割になっているといいます。この学生の格差拡大の傾向が年々強まっているようです。どうしてこのような状況が生じているのでしょうか。

マニュアルでは対処できない

結局のところ、どんな業界も学生に求めるのは「机を並べて一緒に仕事ができそうか」、「マジメに働いてくれそうか」といった点なのです。一言で表すなら「コミュニケーション能力がある学生」かということです。

しかし、残念ながら今の学生の多くはこれが未熟な傾向があります。その背景として考えられるのが、学生の「就活マシン化」です。それは、エントリーシートの書き方や面接対策を徹底的に研究し、就活をマニュアルで乗り切ろうというもので、ここ数年の就活生の王道スタイルとなっていました。

ですが、最近になり企業側も手を打ち始めてきたのです。最近、学生を見極めるために、企業側が面接の方法を変えてきています。なかでも多かったのが、学生に質問をさせる逆質問面接や、これといった正解のない本質を問う質問をするというものです。

例えば今年、ある大手化学メーカーの面接では「原発問題をどう思うか?」といった質問がありました。ほかには「47都道府県から、どこかをはずすとしたらどこを選ぶか?」といったものもありました。

マニュアルにない答えができるか

こうした質問はマニュアル的な回答では乗りきれません。学生自身がその場で考え、答えることを求められるので、メッキがはがれてしまうのです。そもそも企業が求める「コミュニケーション能力」は、その学生の人間性を問うものであって、なんらかの対策で身につくものではありません。

今の学生は「自己PRを」と言われると自分のいいところばかりを演説してしまいます。売り手のニーズを考えずに、自社の宣伝ばかりをする営業マンではいつの日か切られてしまいそうです。

「就活マニュアル本」は自己分析の大切さを説きますが、そこばかりにとらわれ、自己分析すればするほど、片手落ちになりがちです。皮肉なことに、就活対策に熱心な「就活エリート」ほど、内定から遠ざかってしまうという事態が起きているのです。